メルティ・エモーション


かわいい、それから、お似合いだなあって思う反面、疑問が過ぎった。

どこかって、どこだろう……。うーん、わかんない!

「帰り、キングバーガーで作戦会議しよ〜」

私の疑問は、誰かの声によってかき消された。クラスメイトだ。

「作戦会議?」

こてんと首を傾げた。わたし以外のみんなは知っているらしく、顔を見合せていた。

臣道(しんどう)とまのん、最近いい感じなんだよ。学園祭でくっつけちゃお〜」

「あれは絶対両思いだよね」

「きっかけがないからくっつかないだけで、きっかけさえあればいつでも付き合うやーつ」

「(そうなんだ)」

誰かの恋愛を応援するのはいいことだけど、誰かに言われてすすめるのは違うんじゃないかなあ。

「うん、わかった!たのしみ!」

気乗りしないけれど、空気を読んでしまうのはどうしてだろう。みんなの為と言いながら、わたしは、わたしの為に動いている気がする。

ためいきを吐き出すと、スマホが震えた。灰慈くんのアイコンが見えたので、まばたきより早く開いた。

《今日も17時頃終われそう》

業務連絡のような報告だけど、私にとってはささやかな幸福だ。

《早起きは三文の徳だね!》

《な。友達とあそぶなら、帰り拾うから言って》

もらった幸福が肥大する。