メルティ・エモーション


──『久遠寺先生は絶対に止めるだろうから』

約束をした時、灰慈くんは予見した。まさか当たるなんて思わなかったけれど、灰慈くんはこれを見越してアドバイスをくれていた。

「朝だから大丈夫、だって!」

何を持って"朝"がセーフティワードになるのか理解し難いけれど、灰慈くんが言うならそうなのだろう。

ふみの世界では、灰慈くんis正義だ。

パパは少しだけ表情を険しくさせると、すぐに、だろうな、とやや呆れたように肩を竦め、それからわたしと向き合った。

「ママが毎朝、ふみの時間に合わせて準備するのは分かってる?」

それから、今はリビングでお兄ちゃん用に朝の準備をしているだろう、ママをなぞった。