𓂃 𓈒𓏸
わたしが8歳で、灰慈くんが17歳の誕生日。何をプレゼントしようと悩んだ果てに、なんでも言うことを聞く券をプレゼントした。一枚ではなく、十枚綴りのもの。
あの時は世界で一番のプレゼントをしたのだと得意げな気持ちになった。
『じゃあふみ、さっそくお願いを聞いてくれる?』
けれど実際、小学二年生、8歳のおままごとだ。いざ、お願いを聞く側に立った時、要求されたものに対して、果たしてすべて満足のいく結果が残せるかと言われたら不安で仕方なかった。
灰慈くんの要求は、簡単なものだった。
『この券、ふみにあげる。ふみの言うこと、俺がなんでも聞くよ』
『好き!!!』
『はは、知ってる』
おそらく灰慈くんはわたしの不安を察して、そのうちの9枚をプレゼントしてくれたのだと思う。
最初から何枚も上手な彼。追いつくことはないし、そもそも追いつくことを諦めているのかもしれない。



