メルティ・エモーション



自分で決めたなら最後までやり遂げる。これが久遠寺家の家訓なので、任されたことはちゃんと最後までするよ。

ただ、人の多い場所は、いつもちょっとだけ苦手。

学祭委員の集まりで神経をすり減らしたわたしは、とても疲弊していた。はやく灰慈くんに会って、元気チャージを依頼したい所存だ。

灰慈くんのことだから、きっと仕事終わりにお家、またはお家の近くの公園まで来てくれるはず。

けれどわたしはもっと早く、灰慈くんに会いたい!
その為に出来ることがあるなら、是非行動に移したい!

というわけで、《駅の近くで待ってます》と灰慈くんにLINEを打ち、駅付近で待つことにした。普段、通学手段はバスだから、実は土地勘があまりない場所。せっかくだから、散策して良いお店を見つけるのもいいかもしれない。

そんなことを考えていると「あれ、ふみ?」と、わたしを呼ぶ声がした。雨芽ちんだ。

「あめちん、なにしてるの?」

「塾まで何となく時間潰してるの。ふみは?」

「灰慈くんと待ち合わせ!あめちん、甘いもの食べたくない?」

「ふふ、うん、食べたくなってきた」

というわけで、あめちんと二人でお店探し開始だ。