「俺、駄目なんだよ。同世代も年上も、ふみと同じ世代も、異性は全員おなじ。ただの、他人」
ああ、もちろん男もね、と、灰慈くんは笑いながら付け足した。
「俺にとって恋愛対象は、いつの間にかふみだけになっていたらしい」
わたしの心は灰慈くんがみつけた。その日から、わたしの心は灰慈くんのものだ。
「だから、ふみが18になったら遠慮なく手を出すから。それまで浮気するなよ」
低い声が、わたしの心をさらに深い場所まで攫おうとする。
目が合うと「分かった?」と、彼は微笑む。はい、以外は受け付けない、そんな圧迫感さえ感じた。
もうとっくにあなた以外を見る気も恋をする気もないって言うのに。
というよりも、灰慈くんがそうさせてくれないのでしょう?
そんな、驕りに似たものを感じつつも、わたしは結局、頷くのだ。一時的なものではなく、きっとこれは一生事。わたしは自分の恋心に負け続ける。



