──……「そんなこと、ないもん」
約一年越しに否定する。だって、今でも好き。ずっと好き。関係を進めない、ぬるま湯の関係。でもわたしの温度は冷めてないし、冷めることは無いし、天くんの骨折り損ってやつだ。
ソファにごろんと横になった。ふかふかのソファはわたしを安心させる要素となる。
『まあ、灰慈の努力も認めるけど』
思い出された言葉もまた、天くんが言ったものだ。
灰慈くんに努力なんて似合わないし、もししているのならば、対象は一体何?
わたしの目標は灰慈くんと両思いになること。
願うならば恋人同士になりたい。
その恋が長続きするならばもっと良い。
灰慈くんが同じ気持ちになってくれたら最高だ。
その目標を叶えるための努力は惜しまない。久遠寺ふみって人間は、そんな風に出来ている。
目を閉じた。灰慈くんを思い出せば元気になれる。やっぱりわたしはこんな人間なんだ。
好きになった時のことはよく覚えている。気づいた時にはもう、この世でたった一人の宝物になっていた。
──「……灰慈くん、好き」
隙間なく埋めて欲しい。
わたしの中を全て満たして欲しい。
これ以上なく、何も考えられなくなるほどに。



