「灰慈くん、これ……」
振り向くと、キッチンに立つ灰慈くんはマグカップを用意しながら「今日のお礼」とだけ説明してくれた。プレゼント、と受け取る。
灰慈くんからのサプライズプレゼント、という響きだけで明日以降の幸福が充電されているようなものなのに、プレゼントがこんなに可愛いなんて多幸感が溢れて涙になりそうだ。
「かわいい!どこで買ったの?」
「モデルルームに飾る小物も試作してて、余った木片で作った」
灰慈くんは予想外の方向から答えを用意するので、わたしの頭上には綺麗に点が並び、もういちど今の解答を脳内でなぞった。
「手作り!?」
「手作り」
こういうところが灰慈くんから抜け出せない理由だ。最高を更新し続けてくれるから、わたしの好きも毎秒更新し続けている。
「嬉しい……!ありがとう、灰慈くん」
「どうも」
プレゼントよりも、捨てるはずの素材で、わたしのために作ってくれた気持ちが嬉しいの。灰慈くんのきまぐれかもしれないけど、お手軽なわたしはそれでもオッケーなのだ。



