メルティ・エモーション

その後はもう、大変だった。

ソファーに深く座る灰慈くんの膝の間に座らされて、髪を撫でられ、美容室よりも緊張した。

三つ編みを編んでもらったけれど、器用な灰慈くんは簡単に仕上げるからびっくりした。

わたしの好きな人、何でも出来て素敵じゃないですか?

「なんでこんなに上手なの?」

「昔からふみの髪触ってるからじゃない」

「じゃあ、わたしのおかげ?」

「そうだな」

灰慈くんがわたしの背後から退くのでもう一度編み込んでもらった場所をみれば、見慣れないヘアピンが留まっていることに気づいた。木で出来た、三日月とお花のヘアピンだった。