メルティ・エモーション


「ここ」

片手でむぎゅっと腕を捕まれ、「痛っっ!」と顔を歪めた。あ!と慌てた時には遅かった。

「筋肉痛だろ」

灰慈くんの目は、逃がしてはくれないそれだった。

「……そうです」

正直に告げると、灰慈くんは私の腕から手を離し頭にポンと乗せた。それから中腰になってくれるので、目線がおなじになる。

「ふみが楽しめるならいくらでも付き合うけど、辛い思いまでして頑張るのはやめようか。」

「わたし、頑張れないじゃん」

「頑張らなくていいよ」

「わたしが頑張りたい時はどうすればいいのかな」

「その分俺が頑張るよ」

落ち込んだわたしを拾い上げて、最高点まで引き上げてくれる。

「(……好き!)」

恋に落ちる。今日だけで何度目か分からない。