メルティ・エモーション

恋愛って、普段着で月探検してる気分だ。

灰慈くんと一緒にいると、たまに息苦しくなるし、熱でうかされたかと思えばふわふわっと浮き立つ時がある。

気温差が激しくて酸素や重力がない状態って、月と一緒でしょう?宇宙服もなしに灰慈くんという月を何度も探検できるスペシャルな女の子はきっとわたしくらいで、他の人は出来ないだろう。

わたしは灰慈くんへの一途病を長年患っているから出来るの。それくらい、思ってもいいよね。


その後、楽しくなったあたしは野球以外でも同じことを求めた。ダーツ、サッカー、わたしができない分を灰慈くんがリベンジしてくれた。

みなさん、灰慈くんを野球だけの王子さまだと思っていませんか?実は、野球以外も完璧なんです。運動のセンスが花丸なのです。


「次はまたバスケにいこう!」

「んー……バスケはもういいんじゃないの」

「え?」

今日の目的はバスケの練習だ。だからもう一度バスケの練習を再開させようとしたけれど、灰慈くんはあまり良い顔をしなかった。