…ど、どこにいくんだろう?
行き先言っていた気がしだが、上手く聞き取れなかった。窓の外を見ると、行き先は段々と高級住宅地方面へ。
CMで見たことあるマンションがある…でも、どうしてここで止まるの?
「…千雪、降りるぞ」
「へ…!?」
こ、ここですか?
躊躇っているといつの間にか外にいた仁くんがドアを開けた。
「降りないなら抱える」
「お、降ります…」
ただでさえずぶ濡れ状態。
そんな事されたら尚更注目の的。
濡れてる状態で申し訳ないと思いながらも、手を引かれエレベーターへ。押したボタンは一番上。最上階。仁くんの家だと言う目の前で、入るのを躊躇する。
「よ…汚すわけには行きません…!」
「…その恰好で帰るつもりか?」
そ、それはそうですけど…素敵なお家を汚すわけには…!
「きゃあ!」
地面から体が浮く。
そこからは早かった。
玄関のドアを開け、中に入る。やっぱり思った通りで素敵なお家。ある物全てが高額に見えた。
「だ、だめです…!汚します…!」
歩く度に水が落ちているのは知っていた。エレベーターでもそうだったから。
「気にしなくていい。買い替える」
「お…お金持ちなんですか…?」
「……親が社長やってる、二人共」
ブラックカード持っていた意味が分かった。
「あ、あの…挨拶、」
「どっちも海外でいない」
つまりそれは二人っきりと言う事。


