白雪姫は寵愛されている【完】



────────私はいつでも足手纏い。


我慢すれば丸く収まった事も。
私のせいでまたこんな事になっている。

二人の殴り合いを見たくなくて目を瞑ってる。耳も塞いでる。こんな時でも、朔也くんも仁くんもどっちも怪我して欲しくないと思ってる。


”誰かを選ばないといけない”
その言葉の意味が今ならよくわかる気がする。


ゆっくり目を開けて顔を出す。


……ッ、仁くん…!


横腹の方から血が出てきていた。
衣服に染みを作り、広がっていく。


…駄目、駄目!


走り出す。



「もうやめて…!」




怯んだ仁くんに殴り掛かろうとした朔也くんの前に立ちはだかった。殴られると思って目を閉じたけど、当たることは無かった。

足が震える、声も震えて、涙も出てくる。だけどここで逃げ出したらきっと後悔すると思う。


「ち…ゆき……ッ…隠れてろ…」

「っ…仁くん!」


お腹を押さえながら座り込んだ。慌てて駆け寄り見ると、さっきよりも血が出てた。

染みが広がっています。
ハンカチでは抑えきれません。


「今すぐ病院に────、」


後ろから勢いよく引っ張られた。



「俺を選べ、白雪」



殺気。冷たい空気。

唇から血が出てる。掴まれた腕に段々と力が入ってく。


…痛い、


あまりにも痛くて顔を逸らすが、頬を掴まれ前を向く。



「選べ!!」



ビクッ!


誰を選んだら正解で、間違いなのだろう?どちらを選んでも、結局は誰かを傷付けるだけ…。



「…わ、わたし…」



言葉が詰まり、大粒の涙が頬を伝う。