”俺が欲しいのは白雪の心だ。俺に対して心の底から愛おしいと思う心が欲しい。”
その意味を知ったのはついさっき。
緊張して心臓がうるさくて、逃げたくなるのに一緒にいたい。矛盾ばかりで自分の事なのに、自分の体じゃないみたいで…。
沢山悩んで。考えて、教えてもらって。やっと答えを見つけた。
「わたしは……、」
喉まで出かかった言葉。詰まる声。
全てを押し殺して、
「仁くん…なんて好きじゃありません。本当に好きなのは……ずっと傍に居てくれて、ずっと守ってくれて…ずっと好きでいてくれた……朔也くんです」
涙をグッと押し堪えて微笑んだ。
本当に私が朔也くんを愛していると思わせたくて。
愛している人を思い浮かべながら、私は笑ったんだ。
朔也くんの手を取り自分の頬に擦り付ける。
「だから……、そんな事をして、朔也くんが…捕まったり…したら……嫌です…」
お願い。
「……だから…やめてください…」
これ以上朱雀の人達を傷付けないで。


