何を…言っているの…、
「ッ、朔也くん!」
しわになるぐらい強くシャツを握った。引っ張るが、ビクともしない。
携帯から少し顔を離した朔也くん。視線は私の方を向いている。
「やめて…なんで、…そんな事するの?もう、やめて…」
こんな事して何になるの…?
もう十分でしょう…?
「そんな事…しないで…!」
朔也くんの胸を何度も叩く。だけどそれは朔也くんにとっては痛くも痒くも無いようで。表情一つ変えない。
「やめてください…、」
お願いだから──────。
「俺は白雪の為なら何でも出来るよ」
手を掴まれ拘束された。
「大っ嫌いだった叔母を抱く事も出来たし、叔父に殴られる事も造作もなかった。中学の時の女共、それから白雪に手を出した男にも罰を与えた事もあった。
──────全部白雪の為にやったんだよ」
初めて聞く事だらけに私は思考が止まった。
「……なに…を言っているの…?」
聞いた事もない何も知らないその話に目が大きく開く。
そんな私を朔也くんは笑うと話し始めた。


