「…白雪、ここで何してるの?」



ビクッとして、仁くんから離れた。


振り返ると見慣れた人。
だけど恰好がおかしい。


私の知ってる人じゃない。




「…朔也、くん…?」




朱雀で見たあの特攻服と同じ。
でも違うのは色──────。


白色の特攻服。
刺繍された二文字。



「お前…なんでここに」



低い声、殺気。
全部朔也くんに向けられていた。

朔也くんからも感じる、殺気…怖いオーラ。



「じんく…」

「千雪、下がってろ」



私の前に立つ。なんとなく嫌な感じがして、背後に隠れた。服の袖をぎゅっと握る。



「別に喧嘩しに来たんじゃない」

「…先に玄武に喧嘩売っといてか?」

「あれは勝手に俺達の縄張りに来たからだろ?先に喧嘩売ってきたのはお前等、朱雀だろ」



玄武…喧嘩…。



──────それって、



「…麒麟、?」