白雪姫は寵愛されている【完】



「……あの、」

「ん?」


寝に入ろうと準備をする難波先輩を引き留める形で話をする。

難波先輩に聞いて良いのか悩む。
だけどもし聞けるのなら──────、



「……す、好きはどうしたら…わかりますか…?」



私にとって昴くんも仁くんも大切な人。
その内の一人を選ぶなんて…出来そうにない。

難波先輩は「は?」と言った後でカジカジと頭を掻いた。



「……昴の事どう思ってんだ?」



昴、くんですか?



「…え、えっと。頭が良くて、紳士的で、格好良くて…ちょっぴり怖い時はありますけど…素敵な方だと思います」

「仁は?」



仁くんは……、



「や…優しくて、いつも傍にいてくれて…それから、私にとってヒーローで…いつも、ドキドキして…それから…!」

「ストップ」


顔の前で手を出された。
難波先輩が溜息をつく。



「……自覚無しなのか、それで」

「じ、じかく…ですか?」



何の自覚でしょうか…。

今度は盛大な溜息が聞こえた。