白雪姫は寵愛されている【完】



”仁くんだから…”


そう思うと、胸が熱くなる。
ドキドキしてる。

仁くんは近くにあった自動販売機で温かいココアを買ってくれた。またお金は要らないって言われてしまったけど。

開けずに両手で握る。熱が直で伝わって熱い。だけど…飲みたくない。


だって飲んだら…無くなってしまうから。


私の隣で缶コーヒーを飲んでいる仁くん。
そんな姿も格好良いです。



「で…その美雪って奴が、なんで千雪に怯える?」



ビクッ。

確かに…そうだ。
だって私は途中で耐えられなくて不登校になった。

その間も二か月近くは携帯のメールに、私の悪口のようなものが届き続けていた。美雪ちゃんとそのお友達から。

美雪ちゃんの姿を思い出す。
あの怯え方は尋常じゃない。


「……わかりません…途中から不登校になってしまって…」


虐めを受けていた。女子生徒からは特に。典型的な虐めの数々。男子生徒からは公開告白は毎日のように行われ、それを見たまた別の恋していた女生徒からも目を付けられ…毎日が地獄だった。


………でも、三ヶ月目あたりからメールが来なくなった気がする。


怖くてメール見れてなかったけれど…そんな気がする。


私が通っていない間に何かあったの…?
私が知らない、何かが─────────、