白雪姫は寵愛されている【完】



─────────放課後、



隣のクラスに向かい、和也くんを呼び出した。場所は美雪ちゃんの希望で校舎裏。
身体の裏に隠していた手紙と切り出し方に悩む私。


「俺に用って?なにかな?」


先に言ったのは和也くんの方だった。


「えっと…部活前にごめんなさい。実は読んで欲しいものが合って」


言い終える前だった。少し距離があったはずの和也くんが何故か目の前にいた。


………え?
どうしてこんな近くに?


手首を掴まれ、手紙を取られる。
無事に渡った手紙。

それを許可も取らずに広げられた。


赤らめた顔で嬉しそうだったはずの和也くんは次第に曇っていく。


「これ白藤さんのじゃないの?」

「え?…み、美雪ちゃんからで…」


ビリッ!!

破かれた手紙が舞っていた。



「なんで白藤さんからじゃないんだ!?」



叫ぶ和也くんに私は吃驚した。


…え?どうして?私?


「ずっと俺に話しかけてくれたじゃん。それって俺の事好きだからだろ!?」

「きゃっ…!?」

「入学式で見かけてから好きだった!清楚で綺麗で寡黙で俺のタイプそのものだったんだ!」


手首を掴まれ引っ張られた。
強い力に段々と痛みを感じる。