その日から事あるごとに、美雪ちゃんのお手伝いをすることになった。主に何かを聞きに行ったりするだけの手伝いだったけれど。
美雪ちゃんはあれから容姿と言葉遣いに気を遣うようになった。
和也くんの前の彼女さんを見て、ロングヘアーが好きだと思っていた美雪ちゃんは髪をずっと伸ばしていたけど。今回の事で思い切ってバッサリ切り、ボブにした。
一重だったのをアイプチやマッサージで二重にして、仕草も女性らしく、言葉遣いも気を付けるように。
全ては和也くんの為だった。
「またごめんね。こんな事ばかり聞いてしまって…、」
私がそう和也くんに謝ると彼は笑い頭を掻いた。
「いいんだよ。寧ろ白藤さんと仲良くなれた気がするし…、あ、あのさ。良かったら今週…」
「それじゃあ私はクラスに戻りますね。ありがとうございました」
「え!?あ…う、うん。また…」
最近はお手伝いばかりで本が読めて無いな…。
今日もお家で読むしかなさそう。
「千雪!どうだった!?…かしら!」
「えっとね、」
美雪ちゃんは彼が本を読む人が綺麗と言えば、嫌いだと言っていた本も読み、スポーツ苦手なのも可愛いと言えば、ドジっ子を演出。大好きなスポーツも暫く封印することにしたらしい。
そんな日々を過ごしていたある日、遂に運命の日が来る。


