白雪姫は寵愛されている【完】



バッと前を見ると、見覚えのある人。

……どうして、ここに。



「…美雪(ミユキ)、ちゃ…ん?」



制服姿の彼女がいた。



「…美雪?誰だ?」

「あ…えっと、中学校の時の……」



とも、だち…だったのかな。



”あの時”から全然会っていなかった。
連絡を取る事もなく疎遠…いや関係が終わったように思う。


「……なんであんたが、ここにいんの…?」


美雪ちゃんの声は震えていた。



「……ひ、引っ越して…来たの…朔也くんと」



その言葉に、美雪ちゃんが発狂した。



「いやあああぁぁ!!」


「み、みゆきちゃん!?」



突然叫びだし、その場に尻もちをつく。
涙目になりながら私から逃げるように後退る。



「なんで!?なんでなの!?会わないようにって態々こっちまで来たのに!なんでここにあんたがいるのよ!!」



ガクガクと震えだし涙を流す美雪ちゃん。爪を噛みながら叫ぶ。



「美雪ちゃ…」

「やめて!!」




尋常じゃない様子に、駆け寄ると手を振り払われた。