昨日もあまり寝られず朝が来た。

帰って来なかった朔也くんは昨晩『同僚の家に泊まる。』とメールをくれていた。


…同僚。それって一体誰の事ですか?



「千雪?」



隣には仁くんがいる。
久々にソファの隣。

溜まり場。


仁くんの指先が目尻をなぞる。



「あまり寝られなかったのか?」

「…え?」

「隈が出来てる」


う、うそ…気が付きませんでした。

昨日の朔也くんの事もあると思う。
それに…何故だろう最近は寝つきが凄く悪い。


「俺が変な事言ったからか?」

「……え?」


少し困ったように微笑む仁くんを見て、


「っ…あっ…、」


一瞬で顔が赤くなった。

わたし…なんで大事な事を忘れていたんでしょう。昨日仁くんに好きって…言われたと言うのに…!


「千雪さん、良かったらどうぞ」


昴くんの手にはココアの缶とブランケット。


…ココア、



「…ありがとうございます」



寝る前に飲んでいたココアを最近は飲めていない。
いつものルーティンをしなくなったからかもしれない。


微笑んでくれる昴くんの顔も、心配そうに傍にいてくれる仁くんの顔もよく見れない。


「んあ?千雪ちゃん寝るのか?こっちのソファの方、寝やすいから来いよ。変わっから」

「白藤!寝るなら俺が子守唄歌うか!?」

「…ふ、ふふ。大丈夫だよ」



少し久しぶりに、全員が溜まり場に集まった。