白雪姫は寵愛されている【完】


外から鍵が締まる音がした。

…本当に行っちゃった。
そんなに、急な用事なのかな。


そう思いながら、お弁当箱を取り出す。一人用の小さなお弁当箱。


最近はみんなと食べれなくなった。理由は分からないけど、五人集まって食べなくなった。

買って来たおにぎりやサンドウィッチばかり食べて、食べたらすぐに私に手を振って何処かへ行ってしまう。無駄にするからと言われて今は自分の分しか作っていない。

出会う前に戻ったお弁当作りなのに…とても悲しく感じている。


洗い終えたお弁当を拭いて、早めに明日の用意をする。冷蔵庫から出したのは多めに作り過ぎたお弁当のおかず。


癖が付いちゃったのかな?
今でも多めに作ってしまいます…。




──────ピコン、




久々に携帯の音を聞いた気がする。

誰からだろう?
…朔也くん?


画面を見てビクリとする。

仁くんからのメールだったから。


慌ててソファの上に正座。


なんだか、見る前からドキドキしている。
軽い深呼吸をし、メールを開く。



『遅くなったが、怒られなかったか?』



し、心配してくれてます…凄く嬉しい。



『大丈夫です。送ってくれてありがとうございました』



…絵文字とか付けた方が可愛いんでしょうか?でも、今まで一度も使った事無いのに急に使ったら…変ですよね?


でも素っ気ないですよね?でも私ハートとか使うタイプじゃないですし…。

でも何もつけないと怒ってるように感じたりしますよ…ね?