白雪姫は寵愛されている【完】




「…わ、わたし」



どうしたらいいのでしょう…?



ふと頭に浮かんだのは、昴くんで。
同じように言われたばかり…。

どちらかだなんて、選べない。


もし、片方を選んで…関係が悪化したりしたら…?朱雀がバラバラになるような事になったら…?

そうなったら、どうしたらいいの…?


頭に仁くんの手が乗った。
ポンポンと優しく叩く。



「吃驚したな、悪い」

「そ…そんなこと…」



…無くはないです。
凄く吃驚しました。


「千雪、俺は本気だからな」


私の目線まで屈んで言った。



「…っ、」



どうしよう。答えなきゃいけないのに。

色々考えて、なんて言っていいのかわからない。



「返事はゆっくりでいい。断ったとしても、俺は千雪を嫌いにはならない。…今まで通りにはいかないだろうが、変わらず朱雀にいていい。

千雪は仲間だからな」




そう言って笑った。