白雪姫は寵愛されている【完】




「───────怖かったよな。悪い」



着いた先はベンチだけの何処かの公園。
外灯一つの真っ暗なそこで私のヘルメットを外してくれる。


「大丈夫です…ありがとうごさいます」


本心だった。


多分私に合わせてスピードも抑えてくれたんだ。
音も凄くうるさいってわけじゃなかった。

それに…、


「仁くんが…大丈夫って言ってくれたから…」


全然怖くなかったです。


「……あ、の…どうして…」


分かったんですか、と聞く前に口を閉じた。

さっきは気付かなかったけど…凄く汗かいてる。それにズボンの裾がボロボロだった。


……颯太くんのズボンと一緒。


バイク乗ってると裾がボロボロになりやすいと教えてもらった事がある。特に制服だと広がりやすいから、颯太くんはいつも捲っているのだと……、



「…っ、ずっと…探してくれていたんですか…?」



仁くんは顔を逸らした。