どこまで走ったのかな。

もう日が落ちて、辺りは真っ暗だった。
切れかけの街灯が付いていく。


携帯のバイブ音が何度も聞こえる。


見てみるとかなりの数の電話履歴とメールがあった。

難波先輩と昴くん、颯太くん…それから仁くん。


迷惑をかけてるってわかってる。
でも戻りたくなかった。


───────バイクの音?
何処からか近づく音。


…こ、こっちに来てる。


颯太くんのバイク?
それとも…朱雀の人達の?


隠れなきゃ…。


考えてる内に、光が私の姿を映す。


「っ…、」

「あ?なんだお前?」



眩しくて、目を細め確認する。


ピンク色の…オールバックの人?
…この人、集会でいた人だ。


仁くんに殴られた頬に湿布のような物が貼ってある。


「お前、なんでこんなとこに」

「そうちょー!何してるんすか!行きますよー!」


総長…やっぱりこの人総長さんなんだ。
特攻服を見ると”玄武”と刺繍がされていた。


「…先行っててくれ」

「はいー!?なんですかー!?聞こえませんー!」

「先に言ってろ!!」