昴くんだった。
息を切らしていて、怖い顔をしていた。
「麒麟が動いた」
…きりん?
「チッ…、」
仁くんも怖い顔になった。
「今どこだ」
「校舎に入ろうとしてる所です。颯太と慶が対応してます」
「分かった」
どうしていいか分からずにいると、頭に手が乗った。
「絶対守るから安心しろ」
優しいその手に、安心した。
仁くんなら…絶対に守ってくれるって思ってしまう。
「千雪さん。失礼しますね」
「ひゃ!?」
突然、抱えられた。
昴くんが仁くんの方を向くと頷いた。
「僕も後で合流します。…深追いは禁止ですよ」
「…ああ、」
そう言って、別れた。
連れてこられたのは、図書館。
学園祭の最中は締め切っているから入れないって、昨日説明されたと思ったけど。昴くんは構わず中に入っていく。
どこで入手したのか分からないけど、ちゃんと鍵まで持っていて、簡単に入って行った。
誰もいない、静かな図書館。
そこの生徒専用室に入る。
制服無いのに、どうやって開けたんだろう…。
「千雪さん、迎えに来るまで。ここから出ないでくださいね?」
「あ、あの…何かあったんですか?」
「…僕が出て行ったら内側から鍵をかけてください。それから、僕達以外が来ても決して開けないでください。いいですね?」
それだけ言うと、出て行った。


