白雪姫は寵愛されている【完】



それから、歩く度に沢山の女性達が付いて来た。
やっぱり、カメラを向けられるのは困ったけど…。


「白藤!これ食べよーぜ!」

「え…えっと、うん…」



お腹いっぱいだけど…。


「颯太、食べ過ぎですよ。千雪さんも無理に食べなくて大丈夫ですよ?」


みんなが私を囲んでくれるお陰で気にしなくなっていった。…完全に気にしてないわけではないけれど。

これもみんなが私を楽しませようと配慮してくれうから。じゃなきゃこんな風に歩けてないと思うから…。


ふと下を見ると仁くんの手。
繋がれた手から伝わってくる熱。

怖くないのはきっと、仁くんがいてくれるから。

ぎゅっと手を握り返した。



「キーホルダー?」



気になって立ち止まった私に難波先輩が言った。


手芸部の前にあるボードに、大きく書いてある。
”手作りキーホルダー作りませんか?”の文字。

好きなキャラクターの物が作れます!初心者歓迎!とまで書いてあった。


「行ってみましょうか」

「初心者!歓迎だってさ!」


朱雀の皆さんが…手芸……。

思わず笑いそうになるが、グッと堪えて頷いた。



「…よし!できた!白藤にやるよ!」

「僕も出来ました。中々上手に出来たので千雪さん、良ければ受け取ってください」

「意外とむずいな…こんなのでよかったら貰ってくれよ」


そう言ってくれたのは、手作りのクマのキーホルダー。

オレンジ色が難波先輩。
黄色が颯太くん。
薄紫色が昴くん。

…の仁くんを抜かした三人からもらった。

目のビーズが少し歪だったり、耳が寄り過ぎて居たり、綿を詰めすぎて太り気味だったり…色々な形をしていたけどうれしかった。


「仁、お前は?」

「…やるほどの物じゃない」


そう言って、ポケットにしまっていた。



「…っ、あ、あの私も良かったら」



慣れない手つきで頑張っていた四人を横目にで四つも作れた。薄ピンク色のクマさん。