白雪姫は寵愛されている【完】




ッ…熱い。
私みたい。


「ふふ…」

「…っ、なんだ?」


手から伝わる熱と照れた顔。



「仁くんも同じ気持ちでいてくれて嬉しいです」



顔が赤くなったり、熱くなったりするのは私だけじゃないって事に安心しました。



「実は私も前からよく熱くなって───、」



私の手を仁くんの手が包んだ。
吃驚して離れようとしたが、今度は指が絡む。



え?…え、え??



頭の中ははてなでいっぱい。


腰に手を回され、手を引かれた。
仁くんとの距離が近くなる。


顔が近くなり、あと少しで唇が触れる位置で止まった。



「……チッ、くそ」

「っ、?」



顔が近くてクラクラしてる。



一瞬離れると、内ポケットから普通の人なら持ってない物を取り出す。


それを握らされた。

……これって

カッター…だよね?
な、なんでなんでしょう?



そう思ってたのが、次の言葉で全部吹き飛んだ。