白雪姫は寵愛されている【完】




「白藤!!!」


…そうた、くんの声?


外から聞こえるのは紛れもなく颯太くんの声。



「白藤!どこだ!!」



慌てて大声を出す。



「颯太くん!!私はここなの!!」



だけど、話が噛み合わない。
聞こえてないんだろう。



どうしよう…このままじゃ行っちゃう…!
そうだ!小窓…は、ダメだったんだ…。


跳び箱の上に乗り、小窓から外を見ようとした。だけど跳び箱は固定されていて動くことはなかった。


このままじゃ…颯太くん行っちゃう…!


勢い良く扉に体当たりした。
肩が凄く痛かった。

でもするしかない。



…お願い気が付いて!



「ッ!?、…そこにいるのか!?白藤!」


「いるよ!!ここにいる!」


「……いるんだな!そこから少し離れてくれ!ぶち破る」




言われた通り、離れる。




────バゴッ、




そんな音が鳴った後、扉が倒れてきた。本当に壊れると思わなくて呆然と立ち尽くす私にいち早く駆けつけてきたのは、ドレス姿の颯太くんだった。



「白藤!怪我は!?」

「だい…じょうぶ…」

「つか!なんで濡れてんだ!?」

「あ、いや…、」



颯太くんの顔と言葉遣いがミスマッチ。
勿論、声のトーンもミスマッチ過ぎている。