白雪姫は寵愛されている【完】



大きな倉庫。

多分、これが朱雀の溜まり場と言われる場所。


中に入ると、男の人達が沢山いた。
凄く…怖い人達が。

私に吃驚してるように見えた。



…っ、こ、こわい。



先輩の胸に顔を埋めた。スクールバッグはさっき車に置いてきて、隠すものが何もないから。



「怖いか?」



震えてるのもきっと分かっている。
だから聞いて来たんだと思う。


「大丈夫だ。俺がいる」



落ち着く匂いとさっきの低い声とは違う声色。
……少し落ち着いたのは、先輩のお陰ですね。



ドアが開く音がした。



「仁!女を連れてくるってどういう…!?」



この声には聞き覚えがある。


ゆっくりと顔を上げると銀髪の人がいた。唇にも銀色のピアス。耳にも同じような銀色ピアス。身長も八神先輩と大して変わず大きな人。



…クラスの人が言ってた。

朱雀の幹部のほとんどが学園に在籍してるって。
総長から副総長、幹部数人いるって……、


副総長、難波 慶(ナンバ ケイ)先輩。