私だってできればそうしたい。けれど同じ部内でまったく無縁というわけにはいかないのだ。
それにここまで上から目線で高圧的に言われて、おとなしくうなずくほど私は弱くはない。
確かに私は本社では新参者だ。それでも入社は五年目。春に契約社員として入ってきた彼女より、社歴では私の方が先輩にあたる。
受付は総務課に属しているため、久保田さんとは普段からなにかと関わることがある。事務用品の発注や外部から来た書類のファイリングなどの作業も受付に割り当てられた業務のひとつだが、彼女はそれをおろそかにしがちだ。事務用品などは度々発注を忘れて欠品させることがあるため、そうならないよう確認しつつフォローを入れたりもしていた。
けれど彼女にしてみたら、後から来た私にあれこれと口を出されるのはうっとうしいのだろう。実際そういう態度を取られ続けている。
もし前もって長澤さんと彼女が付き合っていると知っていたら、彼と食事に行ったりしなかったのに。
今さら悔やんでも遅いけれど、とにかく長澤さんとなにもないことをきちんと伝えなければ。
「私、本当に長澤さんとは――」
「俺がなにか?」
割って入った声に息をのんだ。
「長澤さん!」
声を上げた久保田さんは、すぐに長澤さんの元へ駆け寄った。そしてつま先立ちをして彼の耳元で何かをささやく。長澤さんが「へえ」と言って口の端を持ち上げた。
それにここまで上から目線で高圧的に言われて、おとなしくうなずくほど私は弱くはない。
確かに私は本社では新参者だ。それでも入社は五年目。春に契約社員として入ってきた彼女より、社歴では私の方が先輩にあたる。
受付は総務課に属しているため、久保田さんとは普段からなにかと関わることがある。事務用品の発注や外部から来た書類のファイリングなどの作業も受付に割り当てられた業務のひとつだが、彼女はそれをおろそかにしがちだ。事務用品などは度々発注を忘れて欠品させることがあるため、そうならないよう確認しつつフォローを入れたりもしていた。
けれど彼女にしてみたら、後から来た私にあれこれと口を出されるのはうっとうしいのだろう。実際そういう態度を取られ続けている。
もし前もって長澤さんと彼女が付き合っていると知っていたら、彼と食事に行ったりしなかったのに。
今さら悔やんでも遅いけれど、とにかく長澤さんとなにもないことをきちんと伝えなければ。
「私、本当に長澤さんとは――」
「俺がなにか?」
割って入った声に息をのんだ。
「長澤さん!」
声を上げた久保田さんは、すぐに長澤さんの元へ駆け寄った。そしてつま先立ちをして彼の耳元で何かをささやく。長澤さんが「へえ」と言って口の端を持ち上げた。



