「松井常務がアプリにログインすれば、録画を確認できる」
「た、滝川を疑ったことは謝ります。こっちの勘違いだっただけで、被害もなかったことだし、そこまでしなくてもいいんじゃないですかね」
「松井常務、ログインしてください」
長澤さんが焦った様子で言ったが、智景さんはそれをまったく無視し、常務にそう言った。
「できました!」
常務からスマートフォンを受け取った智景さんの顔が、見る見る険しくなっていく。
「これが証拠です」
みんなに見えるように向けたスマートフォンの画面には、長澤さんと久保田さんが映っている。日付は昨日、時刻は十八時ちょうど。つまり私が常務室に呼ばれる直前だ。
長澤さんが常務デスクの引き出しを開けて、中からなにかを取り出した。――鍵だ。彼はそれを使ってキャビネットを開けると、中から一冊のファイルを引き抜いた。開いたファイルの間に鍵を挟み、元に戻す。
『これであいつがファイルを取ったら下に落ちるだろう。拾うにしても拾わないにしても、状況的にはあいつが鍵を盗んだように見える』
『へえ……そこに伯父様と貴司君が戻ってくるってわけね。これだけでスパイに見えるなんて、貴司君すごおい』
『あいつには、俺をこけにしたことを後悔させてやる』
小さな画面の中の長澤さんが口元を歪めると、『打合せ通り頼んだぞ』と言い残して、部屋から出ていった。
「た、滝川を疑ったことは謝ります。こっちの勘違いだっただけで、被害もなかったことだし、そこまでしなくてもいいんじゃないですかね」
「松井常務、ログインしてください」
長澤さんが焦った様子で言ったが、智景さんはそれをまったく無視し、常務にそう言った。
「できました!」
常務からスマートフォンを受け取った智景さんの顔が、見る見る険しくなっていく。
「これが証拠です」
みんなに見えるように向けたスマートフォンの画面には、長澤さんと久保田さんが映っている。日付は昨日、時刻は十八時ちょうど。つまり私が常務室に呼ばれる直前だ。
長澤さんが常務デスクの引き出しを開けて、中からなにかを取り出した。――鍵だ。彼はそれを使ってキャビネットを開けると、中から一冊のファイルを引き抜いた。開いたファイルの間に鍵を挟み、元に戻す。
『これであいつがファイルを取ったら下に落ちるだろう。拾うにしても拾わないにしても、状況的にはあいつが鍵を盗んだように見える』
『へえ……そこに伯父様と貴司君が戻ってくるってわけね。これだけでスパイに見えるなんて、貴司君すごおい』
『あいつには、俺をこけにしたことを後悔させてやる』
小さな画面の中の長澤さんが口元を歪めると、『打合せ通り頼んだぞ』と言い残して、部屋から出ていった。



