店員さんがショップに併設されたワークスペースに案内してくれた。普段からここで体験会を行っているそうだ。今はたまたま体験会が終わったところで、片づける前の聞香があるのでせっかくだからと声をかけてくれたらしい。
親切な店員さんに感謝しながら、渡された聞香炉を受け取る。さっき智景さんが見せてくれたのを思い出しながら香炉に顔に近づけてみるがうまくいかない。
すると突然背後から長い腕が現れ、大きな手が私の手ごと香炉を持った。
「持ち方はこうだよ」
彼は私の手を正しい持ち方へと導く。左の手のひらに乗せた香炉に、右手を丸くふたのようにしてかぶせられた。
手以外はどこも触れていない。それなのに全身が燃えるように熱い。
背の高い彼は私をすっぽりと覆ってしまい、まるで後ろから抱きしめられているようだ。どきどきとうるさく鳴る心臓の音を、背中越しに聞かれてしまいそうで気が気ではない。
「香炉を水平に保つのがポイントだよ。そう、上手だ」
息が止まりそうになりながらも、どうにか香りを吸い込んだら、端の奥に甘く清涼感のある香りが広がった。
「あの、もう十分ですから」
離れてくださいと言う前に、彼はそっと腕を解いた。
親切な店員さんに感謝しながら、渡された聞香炉を受け取る。さっき智景さんが見せてくれたのを思い出しながら香炉に顔に近づけてみるがうまくいかない。
すると突然背後から長い腕が現れ、大きな手が私の手ごと香炉を持った。
「持ち方はこうだよ」
彼は私の手を正しい持ち方へと導く。左の手のひらに乗せた香炉に、右手を丸くふたのようにしてかぶせられた。
手以外はどこも触れていない。それなのに全身が燃えるように熱い。
背の高い彼は私をすっぽりと覆ってしまい、まるで後ろから抱きしめられているようだ。どきどきとうるさく鳴る心臓の音を、背中越しに聞かれてしまいそうで気が気ではない。
「香炉を水平に保つのがポイントだよ。そう、上手だ」
息が止まりそうになりながらも、どうにか香りを吸い込んだら、端の奥に甘く清涼感のある香りが広がった。
「あの、もう十分ですから」
離れてくださいと言う前に、彼はそっと腕を解いた。



