結局、途中で握る手を交互に二回ずつ交代した。両手だけでなく顔面まで熱くなった頃、彼は約束通り清水寺の参道にある甘味処でみたらし団子をごちそうしてくれた。
さすがに衆人環視での『あーん』は断固として拒否したものの、さっきうっかり『東雲さん』と呼んでしまったことを彼はしっかり覚えていて、『貸しにしておいてあげる』と微笑まれた。
「美緒はこの後どこか行きたいところはある?」
先にみたらし団子を食べ終わった智景さんが、スマートフォンを片手に聞いてきた。
「近いところだと高台寺や八坂神社かな。すこし離れるけど、東福寺や伏見稲荷も人気だ」
ひとつひとつ画像を見せて説明してくれる。どこもとても魅力的だ。けれどなんとなく気になっている場所があった。
どうしよう。連れてきてもらったのだから、智景さんのお勧めにしようかしら……。
黙ったまま考え込んでいると、「美緒」と呼びかけられた。
「他に行きたいところがあるなら遠慮せず言ってほしい。美緒に楽しんでもらおうと思って連れてきたんだからね」
微笑みにうながされて、おずおずと口を開いた。
さすがに衆人環視での『あーん』は断固として拒否したものの、さっきうっかり『東雲さん』と呼んでしまったことを彼はしっかり覚えていて、『貸しにしておいてあげる』と微笑まれた。
「美緒はこの後どこか行きたいところはある?」
先にみたらし団子を食べ終わった智景さんが、スマートフォンを片手に聞いてきた。
「近いところだと高台寺や八坂神社かな。すこし離れるけど、東福寺や伏見稲荷も人気だ」
ひとつひとつ画像を見せて説明してくれる。どこもとても魅力的だ。けれどなんとなく気になっている場所があった。
どうしよう。連れてきてもらったのだから、智景さんのお勧めにしようかしら……。
黙ったまま考え込んでいると、「美緒」と呼びかけられた。
「他に行きたいところがあるなら遠慮せず言ってほしい。美緒に楽しんでもらおうと思って連れてきたんだからね」
微笑みにうながされて、おずおずと口を開いた。



