夕華(ゆか)は俺の(プリンセス)だって自覚が弱いみたいだね」


「っ!」




 こんな体勢でそんなことを言われたら、顔が熱くなっちゃうよ…!

 緊張で身を硬くしていると、怜央さんは私の体…というか、投げ出した足の向きを変えて、私を抱きしめたまま横になった。




「俺1人で、どれだけ待ったと思ってるの」


「ご、ごめんなさい…!って、」




 怜央さん、もしかしてさみしかったの?

 おそるおそる顔を上げて、私は聞いてみる。




「怜央さん…さみしかったんですか?」


「…」




 むすっとしたまま、表情が変わらない。

 その不機嫌な顔が、すねているようにも見えてきて、私は思わず微笑(ほほえ)んだ。