ぴったりついてくる心くんを、トイレに行く!と、いつわって、まいたあと、上階ならNight Empireの人たちは入れないのでは、と考えて…。

 4階のマークされていない窓に近づいたら、「ここから降りるのは危険かと」と士瑛さんにうしろから声をかけられた。


 お昼ご飯のときは一時休戦して、お腹を満たしたあとに、隠し通路を探したりもして。

 偶然見つけた地下の隠し通路が、お城の外につながっていたのはラッキーだったんだけど、はしごを登って外に出たら怜央が待ちかまえていた。

 人海戦術と、士瑛さん、心くん、怜央の神出鬼没(しんしゅつきぼつ)っぷりに苦戦しているうちに、太陽が沈み――。




「夕華、外に出るのは諦めて。俺は夕華とここにいたい。城で暮らすことを受け入れてくれたら、一緒に外出してもいいから」




 テーマパークの外に出ることができないまま、夜を迎えてしまい、私はベッドの端っこで、怜央に背中を向けて横になる。