マイナスの矛盾定義

「ずるーい。如月さんだけ知っておくつもり?」


「…私だけじゃないし……」



ボソッと放たれた言葉を僕は聞き逃さなかった。



「知ってる人は他にもいるんだ?」


「……あなたってしつこいね」


「誰?僕の知ってる人?」


「その人から聞こうとしても無駄…拷問も効果無い…もう人間じゃないから…」


「人間じゃない?」


「……もう帰る」



僕が質問ばかりするもんだから如月は気分を害したらしく、ジャーマンポテトの残りを吸い込むように食べて席を立つ。


そして僕を置いてさっさと行ってしまった。


どうせ同じ研究所に戻るのに別々で帰ることにしたらしい。


さすがにしつこく聞きすぎたかなー?


普段なら知りたい情報を一気に聞き出そうとなんてしないんだけど、如月は普通じゃないしこういうアプローチの仕方もいいかなって思っちゃった。


ていうか食器戻してよね。



追い掛けるのも面倒なので食事を再開しながら、さっき聞いたことを頭の中で整理する。



アリスちゃんを元に戻す方法は完全体になる前であれば存在し、それを知っているのは如月ともう1人の誰かだけ。



もう1人…誰だ…?


マーメイドプランにおいて重要な人物なのは間違いない。



そういえば研究の中心人物は如月以外にもう1人いるという話だった。




「……ああ、」


アリスちゃんの父親か。