マイナスの矛盾定義

それにしても、……本当にここの連中全員が外へ出ていますのかしら…?


こうも簡単に侵入できましたのに人の気配はするのですから不気味ですわ。


さっさと済ませて早めに退散しましょう。



……とはいえ、この金庫は私がいつも相手にしている単純なものとは少し違う。


とっとと開いてしまおうとしたのに、出てきたのは意味の分からない文字の羅列。いつもの方法では開けられない。


じーーーっとその文字と向き合ってみたけれど、これは私が今まで相手にしてきた暗号のレベルじゃない。かなり高度だ。ちょっとやそっとじゃ理解できない。


こんなの本気で理解しようとしたら数日掛かりますわ。


さすが、商売で得た金は意地でも守りたいらしい。



「バズ先生にこの暗号の写真送った方がいいかしら。彼なら見るだけでもすぐ解読できるでしょう?」


「いえ、…おそらくもうこの建物周辺は電波妨害されてると思いますわ」



私たちがこれ以上仲間を呼ばないように、警察にも連絡しないように、対策くらいは施しているだろう。


まぁ、私たちは警察を呼べるような立場の人間ではありませんから後者は杞憂ですけど。