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見渡す限り、一面の海。寄せては返る波の音が耳に心地よい。幼少期に海水浴をして以来、長いこと海には来ていなかった。忘れかけていた潮の香りや涼しげな風の感触、遠くで鳴いているウミネコの声に、懐かしくて思わず「わあ」と歓声を上げた。
「海、久しぶりなの?」
「はい。小学生以来です」
波打ち際で裸足になり、冷たい水に浸る。日没前のこの時間に海に浸かっている人は他にいない。海水浴をするには寒い時期だし、ちらほらと周りに見える人たちは、砂浜に座って黄昏ているようだった。
海で夕陽デートをしたい——日向さんにそう告げた時、内心ドキドキして心臓が破裂しそうだった。
「そっか。そういう僕も、めちゃくちゃ久しぶりかも」
「大学生だったら、友達と一緒に来たりしないんですか? ……あ、それとも彼女、とか」
言いながら、自分で馬鹿だな、と思い至る。
もし日向さんに彼女がいたら、こんなふうに他の女の子と海でデートをするなんて、彼女さんにとても失礼じゃないか。緊張しながら返事を待っていると「はは、いないよ彼女」と日向さんが笑い飛ばしてきた。
見渡す限り、一面の海。寄せては返る波の音が耳に心地よい。幼少期に海水浴をして以来、長いこと海には来ていなかった。忘れかけていた潮の香りや涼しげな風の感触、遠くで鳴いているウミネコの声に、懐かしくて思わず「わあ」と歓声を上げた。
「海、久しぶりなの?」
「はい。小学生以来です」
波打ち際で裸足になり、冷たい水に浸る。日没前のこの時間に海に浸かっている人は他にいない。海水浴をするには寒い時期だし、ちらほらと周りに見える人たちは、砂浜に座って黄昏ているようだった。
海で夕陽デートをしたい——日向さんにそう告げた時、内心ドキドキして心臓が破裂しそうだった。
「そっか。そういう僕も、めちゃくちゃ久しぶりかも」
「大学生だったら、友達と一緒に来たりしないんですか? ……あ、それとも彼女、とか」
言いながら、自分で馬鹿だな、と思い至る。
もし日向さんに彼女がいたら、こんなふうに他の女の子と海でデートをするなんて、彼女さんにとても失礼じゃないか。緊張しながら返事を待っていると「はは、いないよ彼女」と日向さんが笑い飛ばしてきた。



