恋愛(ピュア)
完

- 作品番号
- 1734838
- 最終更新
- 2024/09/24
- 総文字数
- 18,579
- ページ数
- 29ページ
- ステータス
- 完結
- PV数
- 576
- いいね数
- 7
マンスリーチャレンジ応募作品です。
- あらすじ
- 高校一年生の柳瀬美由は『やなせ印刷』の三女。
姉たちから後継を押し付けられて、文句も言えず悶々とした日々を送っている。
そんな彼女が出会ったのは、街角にある文房具店『ひまわり』で働く日向琉人という青年だった。
文房具屋さんなのに、なぜか「お悩み相談」と称して女性客から悩みを聞いている日向は、美由の夢にたいする想いを聞いて、行動に出る。
日向と美由、二人三脚の仕事が始まる。
この作品の感想ノート
To葉方萌生さま
街角の文房具屋さんって、どうしてこんなに魅力的にきこえるんでしょう。
夢を打ち明けたときの美由さん…今まで本音を言えなかったのでしょうけど、いざ話すとなって(感情的になりつつも)こんなに丁寧に言葉を紡げていることに感動しました。
大人のぼくでも、初対面の人にうまく話せる自信はないです。
しかもそれが、物語世界にとって都合のいい記号じゃなくて、等身大の女の子の「ナマの感情の、ナマの言葉」として響いている、作者さんの技術だなぁと感心しました。
そして……日向さん、あんなに十人十色の相談を受けられるなんてすごすぎですっ笑 しかも漫画やモデルまで…!
読みながら(読んだあとも)日向さんの人生経験の厚さというか、育った環境とか生き方も想像してしまいました。
相談相手の「一番欲しい言葉」を見つけ、返してあげるだけでも容易じゃないですもんね(褒めてほしい、厳しく意見してほしいとか)。相談にのるのって難しい…。
ほとんどの女性客は、日向さんに会うことが目的になってるかもしれませんが。苦笑
美由さんの悩みを聴いて、「偉い」という最上級のアンサーで応えられたこと、尊敬します。ぼくの引き出しにも、そういう透明な感性があったらな…羨ましいです。
全体通して、文章もずっと吸引力のあるテンポ感で、(読むのは簡単だけど)書くほうは大変なの分かります。展開の回し方、書き始める前にけっこう考えていたのでは…?と、勝手に高を括っています笑
さりげない一言で世界観をつくるのもさすがで、
・たとえば4ページの「朝から秋の澄んだ空よりも高い彼女のテンションについていけなくなる」で、泉ちゃんの性格&ふたりの関係性がわかりますし。
・同ページの回想(個人的お気に入りシーン)「私が小学生の頃は文房具だけでなく駄菓子なんかも売っていて〜」は、主人公の思い出話ですが――こういう出来事ってずっと覚えてますよね――この記憶が、今まで美由さんの心をどんなに励ましてくれたんだろうって、考えさせられました。
ぼくはこういう、人間に(もちろん風景とか物語自身にも)物語が流れている描写がすきなので…。
美由さんの、日向さんに抱く気持ちの描写も自然に散りばめられていて、短編のなかで、きれいなグラデーションになっているなぁと思いました。
すいません! 感想続きます↓ (1/2)
(続きになります↓)
あと好きすぎるのが29ページの、
「僕も、好きなのかもしれない」に対して、
“やっぱり、バレてもいいやと思えてしまう。”
勇気を振り絞って告白したのに、こわくて躊躇ってしまったところ。
この矛盾した感情が同伴しているのが、とてもリアルで、予定調和な展開になびかないところ。
物語のためにキャラクターが動かされてるんじゃなくて、キャラクターの中心に物語が脈打ってる感じ。うっとりします…
さっきも言及しちゃいましたが、登場人物のせりふも、物語のために都合よく吐かれたものじゃなくて、リアルに生きてる声だなぁと感じました。
作者の思考から独立して意思をもってるような自由さが眩しかったです。
書きたいこと、ほんとうはまだあるんですけど…
長くなってしまうので(充分長い)、ここで失礼します。
ありがとうございました!
Fromおかゆ
(2/2)
ヒューマンドラマと青春♪
素敵ですね!
丁寧な文章で、好きな作風でした!
もっと色んな短編作品読んでみたいので
ファン登録させていただきます(^ ^)
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