「お詫びも兼ねて今日は僕たちが奢らせてもらうことにしようか。久しぶりに、ファルメルの街で食事を楽しみたいしね」
「お前に奢ってもらう時が来るとは……中々貴重な体験ができるな。……どうした、サンジュ?」
どのお店にするかを相談するランツ夫妻の間から、ルクレットを抱いたディクリド様がこちらに歩いて来る。私は微笑むと、一度だけ後ろの“辺境伯の御用達”を振り返った。
――この場所なのだ。
彼が私をこの地に導いて、作ってくれたこの場所があったから、だから知れた。
たくさんの素晴らしいこと……誰かと過ごす楽しさ、上手く行かない仕事の大変さ、仲間と一緒にいて初めて乗り越えられる試練。決してひとりだけで生きていなくていいんだってこと……そして、世界も生きてるんだってことも。
――ここが、私をずっと守ってくれる。
「お前に奢ってもらう時が来るとは……中々貴重な体験ができるな。……どうした、サンジュ?」
どのお店にするかを相談するランツ夫妻の間から、ルクレットを抱いたディクリド様がこちらに歩いて来る。私は微笑むと、一度だけ後ろの“辺境伯の御用達”を振り返った。
――この場所なのだ。
彼が私をこの地に導いて、作ってくれたこの場所があったから、だから知れた。
たくさんの素晴らしいこと……誰かと過ごす楽しさ、上手く行かない仕事の大変さ、仲間と一緒にいて初めて乗り越えられる試練。決してひとりだけで生きていなくていいんだってこと……そして、世界も生きてるんだってことも。
――ここが、私をずっと守ってくれる。



