「誰もいないみたいですね」
「ああ……。ここに来ると、お前がこの領地を初めて訪れたころのことを思い出すな……」
私たちは懐かしい気持ちで、並んで窓の内側、お店の内部を覗き込んで目を細めた。目に映るのはお店の中でまだ見ぬ主との出会いを待つ、ピカピカの魔導具たち。
そうしていると、まるで数年前に戻ったように、色んな記憶が鮮やかによみがえってくる。辛かったことも、嬉しかったことも……全部。
幸せな今と比較しても、大変なことばかりだったはずなのに……どうしてかそんな思い出も、得難い大切なものだと感じている自分に気付く。感慨にふけりながら、私たちはそこから離れると、かつてよく眺めていた景色を偲ぶため、街を一望できる場所へと移動した。
そこにあったのは見覚えのないベンチだ。私が去った後で、ルシルが設えたものなのだろう。少しだけお借りして、ふたりでそこに並んで座った。
ここから見ると、街並みが一服の絵画のように収まる。でも、残念ながらそれは細部が記憶にあったものと異なっている。
「……ゆっくりと、色々なものが変わっていってしまうな」
「ああ……。ここに来ると、お前がこの領地を初めて訪れたころのことを思い出すな……」
私たちは懐かしい気持ちで、並んで窓の内側、お店の内部を覗き込んで目を細めた。目に映るのはお店の中でまだ見ぬ主との出会いを待つ、ピカピカの魔導具たち。
そうしていると、まるで数年前に戻ったように、色んな記憶が鮮やかによみがえってくる。辛かったことも、嬉しかったことも……全部。
幸せな今と比較しても、大変なことばかりだったはずなのに……どうしてかそんな思い出も、得難い大切なものだと感じている自分に気付く。感慨にふけりながら、私たちはそこから離れると、かつてよく眺めていた景色を偲ぶため、街を一望できる場所へと移動した。
そこにあったのは見覚えのないベンチだ。私が去った後で、ルシルが設えたものなのだろう。少しだけお借りして、ふたりでそこに並んで座った。
ここから見ると、街並みが一服の絵画のように収まる。でも、残念ながらそれは細部が記憶にあったものと異なっている。
「……ゆっくりと、色々なものが変わっていってしまうな」



