私は振り返ると、可能な限り明るい表情で言った。
「聞いてください……色々あったおかげで私、強くなれたんです! あなたが消えた後、兄だったザドが襲って来て、でもひとりで撃退できて、二度と近付かないでって言えたんですよ。だからもう、私にまつわる問題は、すべてが片付きました。もうあなたは私に構う必要は無いんです! だから、皆のために……」
「それでは答えになっていない――」
「いいえ。戦が終わってディクリド様もわかったはずです。あなたはこの地のためにも、ちゃんとした女性を探して結婚しなければならない。私のような人間ではなく、誰もが認める家柄の人と結婚して、このハーメルシーズ領を守れるよう、もっと力を集めなくてはならないでしょう」
「だが……」
ディクリド様は立ち上がって言い募ろうとするが、私はそれに声を被せる。
「聞いてください……色々あったおかげで私、強くなれたんです! あなたが消えた後、兄だったザドが襲って来て、でもひとりで撃退できて、二度と近付かないでって言えたんですよ。だからもう、私にまつわる問題は、すべてが片付きました。もうあなたは私に構う必要は無いんです! だから、皆のために……」
「それでは答えになっていない――」
「いいえ。戦が終わってディクリド様もわかったはずです。あなたはこの地のためにも、ちゃんとした女性を探して結婚しなければならない。私のような人間ではなく、誰もが認める家柄の人と結婚して、このハーメルシーズ領を守れるよう、もっと力を集めなくてはならないでしょう」
「だが……」
ディクリド様は立ち上がって言い募ろうとするが、私はそれに声を被せる。



