もっと早く気付かなければならなかった。私が途方もない幸せを感じる一方で、ディクリド様が未来への時間を削り取り、私へと差し出してくれていることに。
本来なら、幸せな家庭を作り、心の傷を埋めるための大切な時間を……。
「ディクリド様……ごめんなさい」
「……ん?」
私は彼の胸を押し退け立ち上がると、拒絶するように背中を向けた。そして、内心とはまったく反することを告げる。
「こんなことはもう、これで最後にしましょう」
「……なぜ?」
平淡になった声音が、彼の心の波紋を知らせる。私の胸にじわりと痛みが広がった。だけれど、ここで彼のことを断ち切れなければ、愛する人の将来をこの手で握りつぶすことになる。それだけはしたくない……!
本来なら、幸せな家庭を作り、心の傷を埋めるための大切な時間を……。
「ディクリド様……ごめんなさい」
「……ん?」
私は彼の胸を押し退け立ち上がると、拒絶するように背中を向けた。そして、内心とはまったく反することを告げる。
「こんなことはもう、これで最後にしましょう」
「……なぜ?」
平淡になった声音が、彼の心の波紋を知らせる。私の胸にじわりと痛みが広がった。だけれど、ここで彼のことを断ち切れなければ、愛する人の将来をこの手で握りつぶすことになる。それだけはしたくない……!



