私は後ろのシャルビュ号を示したディクリド様に大きく頷くと、急いで身支度をし、彼と一緒に馬上に上がる。シャルビュ号も鼻先でこつんと私の肩を突き、フヒンと再会の挨拶をしてくれた。優美な身体に走る幾つもの傷も勲章のように堂々と背負い、まるで気にしない姿はとても立派だ……。
ディクリド様が、私の体をしっかり支えると、踵で馬体に自らの意志を伝える。
「では……ゆくか!」
「ええ!」
彼も気分が高揚しているのか、シャルビュ号にすぐ足を速めさせ、周りの景色が飛ぶように過ぎ去ってゆく。
「あ、領主様に魔導具店の娘さんじゃないか! お気を付けて!」
「お帰りになったんですね! よかった……」
「戦もありましたが、魔導具のおかげで今年はたくさん作物を収穫をできそうですよ。期待しておいてください!」
そんなファルメルの街人たちから喜びの声を聴きながら、私もディクリド様も笑顔で手を振った。そして街の外に出ると……。
「ここからは足を速めるぞ。舌を噛むなよ!」
「は……きゃぁぁっ!」
見渡す限りが草花で生い茂る平野を、私たちは自由な獣になったかのように疾走し、心行くまで世界を感じて歓声を上げた。
ディクリド様が、私の体をしっかり支えると、踵で馬体に自らの意志を伝える。
「では……ゆくか!」
「ええ!」
彼も気分が高揚しているのか、シャルビュ号にすぐ足を速めさせ、周りの景色が飛ぶように過ぎ去ってゆく。
「あ、領主様に魔導具店の娘さんじゃないか! お気を付けて!」
「お帰りになったんですね! よかった……」
「戦もありましたが、魔導具のおかげで今年はたくさん作物を収穫をできそうですよ。期待しておいてください!」
そんなファルメルの街人たちから喜びの声を聴きながら、私もディクリド様も笑顔で手を振った。そして街の外に出ると……。
「ここからは足を速めるぞ。舌を噛むなよ!」
「は……きゃぁぁっ!」
見渡す限りが草花で生い茂る平野を、私たちは自由な獣になったかのように疾走し、心行くまで世界を感じて歓声を上げた。



