私は首を左右に振ると、震えながら彼の胸に抱き着いた。彼のことを信じていたけれど、心の底ではずっと怖かったのだ。もう二度と、その顔を見ることはできないのではないかと――。
「ごめんなさい、私……っ。また会えて、嬉しいのに……」
胸が詰まって、なにも言えない。ああ、ずいぶん痩せてしまっている。敵の大軍に追われて姿を消したと聞いていた。
きっと大変な思いをしながら戦いを切り抜けて、ここまで戻って来てくれた……。生きていてくれたのだ――!
「いいんだ」
力強い腕の動きも、どこかぎこちない。怪我をしてしまったのか。辛く厳しい時私は彼になにもしてあげられなかった。せめて、傍にいてあげられたらよかったのに……。
「十分だ。ハーメルシーズ領を守り、またお前に会うことができたから……」
「……はい!」
その言葉でようやく私は顔を上げることができ、涙を拭って久しぶりに彼の顔をちゃんと見た。ともすれば、無表情に見えがちの彼の顔は、今誰にもわかるように、優しく笑ってくれていて――。
「出られるか? お前と一緒に、久しぶりにこの辺りを周りたい」
「もちろんです! 少しだけお待ちください……」
「ごめんなさい、私……っ。また会えて、嬉しいのに……」
胸が詰まって、なにも言えない。ああ、ずいぶん痩せてしまっている。敵の大軍に追われて姿を消したと聞いていた。
きっと大変な思いをしながら戦いを切り抜けて、ここまで戻って来てくれた……。生きていてくれたのだ――!
「いいんだ」
力強い腕の動きも、どこかぎこちない。怪我をしてしまったのか。辛く厳しい時私は彼になにもしてあげられなかった。せめて、傍にいてあげられたらよかったのに……。
「十分だ。ハーメルシーズ領を守り、またお前に会うことができたから……」
「……はい!」
その言葉でようやく私は顔を上げることができ、涙を拭って久しぶりに彼の顔をちゃんと見た。ともすれば、無表情に見えがちの彼の顔は、今誰にもわかるように、優しく笑ってくれていて――。
「出られるか? お前と一緒に、久しぶりにこの辺りを周りたい」
「もちろんです! 少しだけお待ちください……」



