ディクリドは周囲の味方と協調して敵からの攻撃を防ぎながら、じわじわと後退してゆく。新たな傷がいくつも身体に刻まれ、更なる出血で少しずつ目の前が暗くなる。
「なんとか脱出路を持たせろ! まだ領主様が中に取り残されてるんだぞ!」
「だが、このままでは我々も……」
とても後ろは向けない状態でそんな声を耳にし、せめて……ディクリドがこの場に踏みとどまり、力の限り追撃を防ぐ覚悟を決めた時……。
「ディクリド様! お待たせしました!」
「フィッツか!?」
最も信頼する部下の声が聞こえた。目の前の敵軍から受けていた圧が和らぎ、敵兵の目がそちらへと引き寄せられる。
フィトロが、なんと敵の右翼と左翼両軍を半壊させ、こちらへの道をこじ開けて駆けつけてくれたのだ。それにより敵軍の締め付けは急速に和らぎ、本隊が脱出する機会が生じる。
「なんとか脱出路を持たせろ! まだ領主様が中に取り残されてるんだぞ!」
「だが、このままでは我々も……」
とても後ろは向けない状態でそんな声を耳にし、せめて……ディクリドがこの場に踏みとどまり、力の限り追撃を防ぐ覚悟を決めた時……。
「ディクリド様! お待たせしました!」
「フィッツか!?」
最も信頼する部下の声が聞こえた。目の前の敵軍から受けていた圧が和らぎ、敵兵の目がそちらへと引き寄せられる。
フィトロが、なんと敵の右翼と左翼両軍を半壊させ、こちらへの道をこじ開けて駆けつけてくれたのだ。それにより敵軍の締め付けは急速に和らぎ、本隊が脱出する機会が生じる。



