――ありがとうございます。
そんな一言が言葉にならず、喉から瞳から、これまでの色々が積み重なった感情が溢れ出てくる。また……皆と一緒に、あの地で暮らせるのだ……!
「遅くなって済まなかった」
低く柔らかい声が労わるように背中を撫で……私は振り向くと、ぼろぼろで恥ずかしい格好も忘れて、堪らずディクリド様に抱き着いた。
「その恰好でいられると、少々目のやり場に困るな」
彼は私を安心させる様に抱きしめると微かに笑い、外したマントで私の肩を覆ってくれる。手のひらで、べしょべしょになってしまった目元を拭い、私は彼に尋ねる。
「どうやって、このことを知ったのですか。私はリラフェンにも王都に戻ることを秘密にしていたのに……」
「俺たちを馬鹿にするな。お前が我々に迷惑を掛けまいと姿を消したことくらい、すぐに分かったさ。それに、事態を知らせてくれた人物もいたからな……」
そんな一言が言葉にならず、喉から瞳から、これまでの色々が積み重なった感情が溢れ出てくる。また……皆と一緒に、あの地で暮らせるのだ……!
「遅くなって済まなかった」
低く柔らかい声が労わるように背中を撫で……私は振り向くと、ぼろぼろで恥ずかしい格好も忘れて、堪らずディクリド様に抱き着いた。
「その恰好でいられると、少々目のやり場に困るな」
彼は私を安心させる様に抱きしめると微かに笑い、外したマントで私の肩を覆ってくれる。手のひらで、べしょべしょになってしまった目元を拭い、私は彼に尋ねる。
「どうやって、このことを知ったのですか。私はリラフェンにも王都に戻ることを秘密にしていたのに……」
「俺たちを馬鹿にするな。お前が我々に迷惑を掛けまいと姿を消したことくらい、すぐに分かったさ。それに、事態を知らせてくれた人物もいたからな……」



