「皆、付いて来てくれ! 俺には亡き叔父や父上ほどの力はないが、彼らが残した意志だけは、誰よりもこの身に受け継いでいる! 我々の後ろに広がる故郷を、ひと踏みたりともやつらに触れさせてなるものか! 戦うぞ、侵略者を追い返すまで!」
溢れた憤怒が、どこからこんな声を出しているのか疑うほどの声量を解き放つ。少年とは思えないディクリドの姿に呼応し、兵士たちから鬨の声が上がった。その勢いはすべての兵に伝播し、砦は敵軍を慄かせるほど恐ろしい殺気で満ち溢れた。
ディクリドは連れてきた配下たちと生き残りをかき集め、一丸となってその怒りを敵軍に叩きつけた。生半な戦術を吹き飛ばすほどのその突撃が、勝利の予感に気を抜いていた敵軍を直撃し、まるで紙細工のようにやすやすと打ち破っていく。
その中で舞い散る血飛沫を浴びながら、次第にディクリドは姿を変えた。先頭で叔父譲りの武勇を見せる金色の人狼の出現にしかし、味方は畏れを抱くこともなく手足となって戦う。唐突に出現した新たな難敵にマルディール軍は大いに浮足立ち、それは一気にこの戦の趨勢を決めてしまうかに思われた。
だが、そこに立ち塞がる部隊が現れた。その先頭に立つ目立つ赤鎧を身に着けた人物に、生き残りの兵士が大きく注意喚起する。
「や、やつは……! やつこそが、イデル殿を葬った魔術の使い手であります! やつもまた、獣の姿に身をやつす者……」
それ以上は争いの喧騒に掻き消され、ディクリドたちはその部隊と真正面からぶつかり合った。
溢れた憤怒が、どこからこんな声を出しているのか疑うほどの声量を解き放つ。少年とは思えないディクリドの姿に呼応し、兵士たちから鬨の声が上がった。その勢いはすべての兵に伝播し、砦は敵軍を慄かせるほど恐ろしい殺気で満ち溢れた。
ディクリドは連れてきた配下たちと生き残りをかき集め、一丸となってその怒りを敵軍に叩きつけた。生半な戦術を吹き飛ばすほどのその突撃が、勝利の予感に気を抜いていた敵軍を直撃し、まるで紙細工のようにやすやすと打ち破っていく。
その中で舞い散る血飛沫を浴びながら、次第にディクリドは姿を変えた。先頭で叔父譲りの武勇を見せる金色の人狼の出現にしかし、味方は畏れを抱くこともなく手足となって戦う。唐突に出現した新たな難敵にマルディール軍は大いに浮足立ち、それは一気にこの戦の趨勢を決めてしまうかに思われた。
だが、そこに立ち塞がる部隊が現れた。その先頭に立つ目立つ赤鎧を身に着けた人物に、生き残りの兵士が大きく注意喚起する。
「や、やつは……! やつこそが、イデル殿を葬った魔術の使い手であります! やつもまた、獣の姿に身をやつす者……」
それ以上は争いの喧騒に掻き消され、ディクリドたちはその部隊と真正面からぶつかり合った。



