魔導具店『辺境伯の御用達』 ーThe margrave's purveyorー(ザ・マーグレーヴス・パーベヤー)

 その言葉はディクリドを大きく励まし……また、その後の彼がこれが魔術によるものであり、なんら他者に害を与えるものでないと示したことによって、ディクリドはその後も城内で孤立せずに済んだ。

 幸い傷も魔術による身体能力の向上もあってか速やかに完治し、その行動をきっかけに、ディクリドの胸には彼への確固たる信頼が芽生えることとなった。叔父のような人間になりたいと、武芸を志すようになり、その結果、同年代の者より大きかった彼の身体はより勇ましく成長していった。

 それからも、ディクリドはイデルが城を訪れると積極的に教えを乞うた。叔父は長年の間ハーメルシーズ家に集積された爵位の内いくつかを預かっていた。普段は前線の指揮官として敵国の動静を監視し、いざ戦となれば陣頭指揮を取って最前線で戦うハーメルシーズの盾とも言える存在。
 そんな彼に近付きたく、各地を飛び回っての兵士たちの調練に同行させてもらったりと何度か我儘を言ったが……息子の熱意にやや呆れ気味ではあった父も、将来に必要なことだと考えたのか好きにさせてくれた。

 叔父は将来のディクリドを慮ってか、事あるごとにディクリドに剣術や、戦場で身を守る術の稽古を付け、ある時こう言った。